「伊四〇〇型 & 晴嵐」Tシャツ 制作報告 その(1) 2016/02/13
先月から取りかかっております「伊四〇〇型 & 晴嵐」Tシャツですが、メインとなる背面デザインの方向性がようやくまとまりつつあります。とは言うものの、あくまで構図のみでして・・・まだ線を引く段階ではありません。
「伊四〇〇型」と言えば、特殊攻撃機「晴嵐」3機を格納筒に搭載し、無給油で地球を1周半できる驚異的な航続力を活かして米本土やパナマ運河攻撃を期待された当時世界最大の潜水艦です。
▲ 3隻建造された伊四〇〇型(潜特型)の2番艦「伊四〇一」
昭和20年、米軍に接収された後の写真。艦橋下の格納筒に晴嵐を3機収納した。写真では格納筒の扉(ハッチ)が開いており「晴嵐」収容用の起倒式クレーンが駆動しているが、もちろん「晴嵐」の姿はない。存在自体が軍事機密であった「潜特型」は撮影が禁止されていたため、日本側による写真は極端に少ないと言われています。
“潜水空母”とも言うべき伊四〇〇型のハイライトば、言うまでも無く「晴嵐の射出発艦シーン」でしょう。乗組員たちの期待を背負い、カタパルトから射出されて舞い上がる「晴嵐」!勇壮かつ絵になるシーンですし、何と言っても伊四〇〇型のコンセプトをシンプルに表現しています。
しかし・・・毎度のことながら、今回もまたコンセプト段階で悩むこととなりました。
つまり、スタンダードな晴嵐射出シーンを取るか、「人間」を重視した発艦直前のシーンとするか、この2案の選択に時間がかかってしまいました。
■ 構図案(1)・・・伊四〇〇型から飛翔する「晴嵐」前述の通り、伊四〇〇型のコンセプトを表現するには最高のシーンです。一方、どうしても「引き」の構図となってしまうため、プラモデル箱絵のような"ありきたり"感は否めません。また、「Osabetty's」の重要コンセプトである「人間」を描くことは縮尺的にほぼ不可能となります。
▲ 模型の箱絵 【左】 PITROAD「I400・401」 【右】 TAMIYA「晴嵐」
■ 構図案(2)・・・「晴嵐」射出準備中の前甲板前甲板をフィーチャーするため、搭乗員、整備員、見張り員などを描くことができますが、伊四〇〇型の全体像を捉えることは断念しなければなりません。また、晴嵐射出時の人員配置(どの辺りに何人いるのか)がよく判らないため、ある程度想像に頼らざるを得ません。
約1ヶ月熟考した結果、構図案(2)を選択することにいたしました。
伊四〇〇型に乗組んでいた200名近い若者たちのことを想うと、やはり少しでも多くの「人間」を描きたいと思ったのです。
と、毎度「気概」だけは立派なのですが・・・敢えて難しい方向?を選んでしまったようで不安一杯(^^;
現在はラフ画を描いている段階ですが、なんとか来月中旬までにデザインを完成させ、4月発売を目指しております。
▲ 甲板上からの「人目線」を意識して描いたラフ画のひとつです。
こんな感じの構図に人員をプラスして"緊迫感"や"慌ただしさ"を表現したいのですが・・・うまくいくかどうかは描いてみなければわかりません。タッチは線画に近いシンプルなものにしたいと思っておりますが、これまたやってみなければわからない世界です。「晴嵐」の翼端フロートにつきましては、あり(訓練時)とするか、出撃想定で無しとするかの選択も難しいところですね。
ということで、ようやく方向性が定まってきた「伊四〇〇 & 晴嵐」Tシャツです。
苦戦必至ではありますが、デザインの進捗状況はこの「店長日記」にて随時ご報告させていただきますので、どうかお楽しみに。