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NHKの終戦特番など 2012/08/16

相変わらずの猛暑が続く中、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

さて、一昨日19:30より放送されたNHKの終戦特別番組
『 NHKスペシャル  終戦・なぜ早く決められなかったのか? 』
をご覧になった方も多いと思います。私も観ておりました。

番組内容はだいたい以下のような感じでした。


イギリス公文書館などから発見された多数の「ウルトラ情報」文書(暗号解読文書)により、
「ヤルタ密約情報」(ソ連の対日参戦約束)を早期に把握していた日本の在欧州・陸海軍武官たちが
再三本国に警告打電していた事実が明らかとなった。
しかし、陸海軍ともその重要性を正しく判断できず、また互いに情報交換することも最後までなかった。

一方、徹底抗戦を主張する陸軍中枢は、本土決戦の中核戦力と目された在満支兵力の弱体化を
正確に掴んでおり、米軍に「一撃」を加えることなどもはや不可能であることを理解していた。

陸海軍首脳ともに早期終戦の必要性を理解していながら、
「最高戦争指導会議」 (首相、外相、陸相、海相、参謀総長、軍令部総長による会議 )は迷走を重ね、
本土決戦での「一撃講和」とソ連を介した終戦工作という、非現実的かつ不毛な国策決定へ走ることとなる。

日本国始まって以来の国家存亡の危機に当り、なぜ日本の指導者たちは早期終戦へと動けなかったのか?
和戦の鍵を握る陸海軍首脳たちは組織の面子などから官僚的行動に終始したあげく、
終戦時期をいたずらに遅らせてしまったとは言えないだろうか?

ソ連参戦までに「決断」していれば、2つの原爆による約21万人の犠牲者、
および北方4島の侵略(※番組ではなぜか樺太には言及していない)、
シベリア抑留による大量の犠牲者、中国残留孤児の悲劇などは避けられたのではなかったか?

なかなか興味深い内容ではありましたので、いくつか想ったことを述べてみます。


■ イギリス公文書館より発見された文書の件はもちろん初めて知りましたが、
  個人的には「衝撃的」といえるような情報とは思えません。
  実際、大本営陸軍部ではソ連軍の極東への大規模な兵力移動もある程度正確に掴んでいましたからね。
  問題は、都合の悪い情報は無視するという軍首脳部の思考傾向にあり、軍部内では超エリートだった彼らも、
  戦争指導という国運を賭けた危機管理をマネジメントするには力不足だったと言わざるをえません。


■ ソ連参戦までに終戦していれば云々~という考え方はもっともですが、
  あくまで後付けの理論ですので、個人的にはもろ手を挙げて同意というわけにはいきません。
  しかし、あまりにも重大な「結果」を考えれば、断腸の想いしかありません。


■ 一方、縦割り組織感覚によって政策決定に時間が掛かるうえ、
  結果的に本来の目的とはズレた方向に舵を切ってしまう~という現象は非常に興味深いものです。
  なぜなら、なにごとも話し合いで決定し、組織内の「和」や「面子」重視するのは
  我々日本人の長所であり、同時に短所でもあるからです。
  極端に言い表せば、長所は「平和的・合議的」、短所は遺憾ながら「無責任」ということになってしまうでしょう。
  昨今の「決められない政治」を目の当たりにしますと・・・
  日本に強力・優秀な政治的リーダーが出てこない理由も、このあたりの国民性に一因があるのかも知れません。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆



毎年終戦記念日近くになると「大東戦争」関連の番組が増えますが、これは結構な事だと思います。

しかし、我々日本人にとって一番大事な案件は、相変わらずマスコミから置き去りにされた感がありますね。
それは「日本はなぜ無謀な対米英戦争を決意したのか?」 という大命題です。

中国への侵略(満州事変)がアメリカとの対立を招き、場当たり的な政策を繰り返したあげく石油を止められ、
必死の対米交渉もむなしく、最終的に自存自衛のために止む無く立った
 
~ という大雑把な流れは日本国内的理解としてはほぼ正しいと思います。
しかし・・・国際政治的にはどうでしょうか?

極東再進出のため日本の弱体化を狙うスターリン独裁のソ連、欧州大戦介入の機会を覗うアメリカ政府、
ともに中国統一を目指し、ソ連・アメリカと連携し複雑な動きを見せる中国国民党(蒋介石)・中国共産党(毛沢東)・・・
帝国主義全盛時代における、したたかな国際関係の中にこそより大局的な 歴史の真実 が隠されているはずです。

しかし、この部分は大戦後の国際社会体制の根幹にかかわる重大問題ですので、
戦勝国側による重要情報の公開はまず考えられません。
特に旧ソ連(ロシア)、中国関係は100%絶望でしょう orz

かろうじて僅かな可能性が残っているかもしれないのは・・・アメリカですね。
「アメリカはなぜ日本と戦争をしたのか?」 今後は、こういった視点がより重要だと想いますが・・・
いずれにせよ残念ながら、真相解明への見通しは日本にとって限りなく暗いことは認めざるを得ません。

「歴史は100年経たないと生乾き」(確かこんな感じでしたよね?)
毎年この時期を迎えると、司馬遼太郎氏の言葉が重くのしかかってきます。

コメント

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■ > 花吹山 様 コメント・・・

> 花吹山 様

コメントありがとうございます。
戦没者のお墓の話は涙が出そうになりました。

戦略上必要性の低い「インパール作戦」を強行し、
作戦失敗が明らかになりながら、中止を約2か月に渡って引き延ばした
第15軍、ビルマ方面軍、南方軍そして大本営には怒りを覚えます。
意味のない面子や人情論によって、兵士たちの命が失われてゆく・・・
インパール作戦中止に至る経緯は、終戦決定遅延のケースとよく似ています。

もし、本土決戦が行われたとすれば、想像を絶する悲劇が日本全土で生起したことでしょう。
私事で恐縮ですが、終戦当時20歳だった私の父は、宮崎県の海岸防備部隊(陸軍)におりましたので・・・
まず間違いなく戦死したと思われますし、従って「私」も存在しえなかったことになります。

多くの貴重な命が失われた「大東亜戦争」の教訓を、我々日本人は活かせているか?
この事を「意識」している方さえ少ないように思えてなりません。
 
osabetty | 2012-08-19 00:05 |

■ 夏休みも後半に突入しま・・・

夏休みも後半に突入しました。
皆さん、お盆のお墓参りに行かれましたでしょうか?
私は毎年欠かさず、お墓参りをします。
いつも気になる他人様のお墓があります。墓石の上部が四角錐の形状をしている戦没者のお墓です。
側面に没時及び没地が記されていますが、もちろん推測での内容だと思います。
特に気になるのが没地です。
何例か挙げてみますと、
・陸軍上等兵 ビルマ國ペグー山系
・海軍水兵  レイテ島方面
このことから、前者はインパール作戦、後者はレイテ海戦での戦死と推測します。
お二方の享年は、まだ二十歳そこそこの青年です。
前者の方は戦死?病死?餓死?、後者の方は何という艦艇に乗艦?とお墓参りする度に気になります。
他にも、南西諸島方面や南方方面とやら没地がはっきりしないために広範囲で記されているお墓もあります。
どなたも昭和19年秋から昭和20年夏までの没時です。
山間部の小さな集落の小さな墓地です。農村民への赤紙召集者だったのでしょうか?
本当に早く戦争が終われば良かったです。
合唱。
後者の海軍水兵の方の乗艦名を探してみたいと思います。
花吹山 | 2012-08-18 17:18 |
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